カメラマンの私が普段ロケハンで確認するポイント

撮影関連
スポンサーリンク

撮影をされる方、ロケハンは行っていますか?
ロケハンをした方も、なんとなくで見に行っていませんか?
撮影前に下見、現地調査を行うロケーション・ハンティング、通称ロケハンは、実際に撮影を行う際に進行や撮影位置を把握する上で非常に重要な仕事になります。
ここが中途半端だったりすると、後で泣きを見る可能性もあります。

 

今回は屋内のロケハンに行く際に、私が普段気をつけていることをまとめてみました。
これを抑えれば実際の撮影もスムーズに進行できるかと思います。
撮影初心者やコスプレ撮影の方向けな内容ですが、これから書くことを意識してロケハンに臨むと撮影後のイメージもつきやすくなるかと思うので、個人的にはロケハンに行かれるクライアントも読むと良いかも。

スポンサーリンク

ロケハン時に持っていくモノ

私が基本的にロケハン時に持ち込むもので、マストなアイテムをピックアップしました。

スチールカメラ

ロケハンには欠かせないやつ。なるべく本番で使用する機材でロケハンするのが良いです。
レンズは標準のズームレンズ(24-70mm F2.8など)1本あれば十分です。
持っていない場合はそれに準ずるレンズか、広角めのものと標準レンズを持っていくと良いかもしれません。
なるべく荷物は少なめに。

 
スチール撮影をお考えであれば、一眼レフなど、ISOやシャッタースピード、絞りなどをマニュアルで行えるもののほうが良いです。
マニュアルにすることで、そのロケーションで撮影する際の最適な設定がわかります。
これがわかることで、撮影当日はマニュアルでも撮影しやすく、オートで撮った時のバラツキがなくなることから撮影後の現像や修正などが非常に楽になります。

 
露出計をお持ちであれば、そちらを使用して計るほうが間違いないですが、ここ最近は露出計を持たない人も増えたし、実際使わなくてもどうにかなっちゃったりします。

 
また、他のカメラマンと共有する際もロケハンでのデータが指標になるため、時間をムダにすることなく撮影出来るかと思います。
あ、一応クリップオンストロボもお持ちであれば忘れずに。

ビデオカメラ

ムービー撮影だった場合は必要です。
こちらも一眼レフなどと同様、マニュアル設定出来るもののほうが良いです。理由はスチールカメラと一緒。
特にムービーの場合は、機材が安いものになるとホワイトバランスの調整が撮影後だと結構めんどくさかったりします。
なので、せめてそこを細かくいじれる機材のほうがベターです。
ムービー撮影するわけでなければ、特に持ち物として加えなくて良いかと思います。

 
なお、三脚はよっぽどのことがない限り持っていかないです。ロケハンはフットワークが軽いほうが有利なので。

スマホ

機能的にはカメラとコンパス的な部分。
簡易的に共有するのであれば、スマホで一応撮っておけば楽です。
この場合写真もムービーも両方あると、場所の動線などが把握しやすくなります。

 
コンパスは主に室内のロケハンではよく使用します。
どちらがどの方角かがわかれば、自然光で撮影しやすい時間帯も把握しやすくなるため、進行のためのスケジュールを組みやすいです。

メジャー

5m以上のものを推奨します。
こちらは主に小道具の製作をする際にどのくらいのサイズを作ればいいかを確認したりなど、作り込みをする際に必要になってきます。
人によっては使わないってことも多いのですが、いざという時にあるとかなり便利です。

ロケハン時の鉄則

想定外のことも視野に入れながらロケハンする

ロケハンに行く際は、大体何を撮影するかの、おおまかな概要は決まっているかと思います。
しかしながら、詳細が決まってないこともしばしば。
内容自体がロケーションの状態や状況などによって変わったり増えたりすることもあります。
ここで言う「想定外」というのは、「撮影概要と異なる撮影になる」、「ロケハン時の状態を活かさない」などのことを指します。
なので、ロケハン前には「利用しない」フロアだったのが、撮影前には「利用したい」に変わっている場合もあるので、
ロケハンで気になったものは全て撮影していくというのが望ましいです。

共有することを前提にロケハンする

ロケハンは、限られた人間のみで行くことのほうが多いです。
仕事での場合はクライアントさんも確認のためにくることもありますが、スタッフだけで行くことがほとんど。
CMや映画などになると、カメラマンだけでなく装飾の方なども行ったりするので結構な人数になりますが、それでも厳選されています。
仕事ではなく趣味で、という場合になるとより顕著で、手が空いている人が下見に行くことになると思います。

 

ロケハンに実際に行った人間しか現場を完全に把握していない、というのは結構リスキーで、撮影当日にトラブルが発生しやすくなります。
トラブルにも小さいものや大きいものと色々ありますが、中でも1番は把握している人間が少数すぎてスケジュールがどんどん推すという最悪な展開になりやすいです。
時間が推してしまうと、ハウススタジオなどの屋内であればロケーション費用がかさんでしまうし、公園や町並みなどといった屋外だと太陽の位置が思っていた方角からずれてイメージ通りの撮影がしにくくなったり、人通りが多くなってしまうなどといった問題が起きやすくなります。
なにより撮りたかったものが十分に撮れなくなってしまうのが痛いです。

 
こういった問題を起きにくくするためには、ロケハンに行っていない人間でもその場に行けばスムーズに動けるようにしっかりと情報共有をしておくことが大事になってきます。
そのため、ロケハンに行く場合は共有することを前提に、来ていない人がどう動くだろうかと想定をして、その部分の情報提供ができるようにロケハンすると良いです。

 
なお、十分に共有していても問題が発生してしまうことは多々ありますが、それでも最小限に抑えられます。




ロケハンのポイント

ここからは実際にロケハンする際のポイントを書いていきます。
まずはハウススタジオや白ホリゾントのスタジオを筆頭とした、屋内のロケーション提供場所についてです。

窓の位置や自然光の入り具合を確認する

屋内のロケハンでは、自然に気づくのは自然光の入り具合ではないでしょうか。
ここでは、一部屋にいくつ、どの方向に窓があって、どのくらい採光が入るかを確認しましょう。
そのときにロケハンに行った時間帯も考慮します。
窓の外に見えるのは庭なのか垣根なのかビルなのかも確認しましょう。
これらの状況により光量の入り具合や色味が変わってくる場合があります(特に緑の垣根だったりすると顕著)

 
窓が無いなど、自然光が入らない場所の場合は、逆に自然光が入ってきてしまいそうな場所がないか確認します。
ミックス光になった場合あまり良い撮影結果にならないためです。

遮光はできるか

上記と併せて確認すべきところです。
撮影内容によっては自然光が邪魔になります。
日中に撮影だけど夜っぽい撮影がしたいときとか。
遮光カーテンで遮光するのか、内側から何かで覆ったりするのかなど、ロケーション地毎で異なるので、必ず確認しましょう。
また、この時に遮光だけでなく自然光をディヒューズできるものがあるかも確認しておくと良いです。

家具、小物の有無や位置の確認

次に目に入ってくるのは家具や小物になるかと思います。
多くの屋内ロケーションでは家具や小物は自由に使えます。
何があって何が無いのかをまずは確認しましょう。
特に本や食器などの持って使う道具は細かく撮影しておくことをおすすめします。
小道具を搬入する場合に、持参する必要がないものが何かわかることにより、準備が楽になるからです。

 
家具についても基本的には位置を移動させて使用することが可能ですが、ものによっては移動不可だったり、複数のフロアがあるロケーションの場合は別の部屋に家具を移動することを禁止している場合もあります。この辺はロケーションを貸してくれる方(スタジオならスタッフ)に聞けば教えてくれます。

 

また、家具や小物は、基本的には撮影後原状復帰をしなければなりません。

撮影前がどうなっていたのかを当日撮影しておく時間があればいいのですが、難しいことがほとんどです。
原状復帰の時間もロケ使用の時間に含まれていることが大半なので、どれをどう動かしたら撮影時間を多く取れるのかも考慮しつつ、基の状態を撮影しておくと良いと思います。




4方向から撮影する

部屋感がわかるように、壁を背にして若干広角気味で撮影します。
4面あれば4面分。
そうすることで、そのフロアがどんな構造で、何が置いてあるのかが非常にわかりやすくなります。
また、多方向で撮影することにより、その場所だけでバリエーションがどのくらい撮れるのかもイメージしやすくなります。
全体像を撮影する形になるので、何が部屋に足りないのかもイメージしやすいですし、ラフとして何かを合成する、といった場合にも使いやすい素材になります。

本番を意識した写真と調査写真は区別する

動画でも同様ですが、写真を撮るという前提で書いていきます。
本番を意識した写真というのは、構図を意識して撮影した写真ということです。
決めカットになりうる場所をある程度検討をつけておくことで、撮影当日は余裕を持って撮影することが出来ると思います。
フロアに入ったらどのあたりで、どういうモノを入れればどんな風に撮れるのかを模索するのも良いと思います。

 

ただ、これは、当日撮影するためには非常に大事ですが、これだけだとあまり良くないです。
そういったものも撮影はしてもいいので、どちらかというと調査写真、つまり構図を気にせず、適当な写真も撮ると実は良かったりします。
構図を気にしないで撮ったものは、見栄えはあまりよくないと思います。
しかしながら、これがあることでそこのロケーションのポテンシャルがどの程度か把握できます。
構図を意識しないで撮影したものがいい雰囲気だったりすると、そこのロケーション地はどう撮っても大体絵になる場所と言えます。
つまり色んなカットを取りやすい場所ということなので、撮影位置に困ることはなくなるかと思います。

天井

「意識して」となると意外に確認し忘れるところがここです。
ストロボを使用することを前提に考えている場合、天井バウンスをすると天井の色味を拾ってしまいます。
黒い場合は光も回りにくいので、事前に知ることでどう光を回すかが考えやすくなります。

 
床や壁もストロボの配置によっては拾うこともありますが、天井が1番障害になりやすいです。
また、天井の高さもどのくらいあるのか見ておくと良いです。

電源の確認

ストロボや定常光を使用する際は必ず確認したいやつ。
場所によってはコンセントが限られた箇所にしかなかったりするので、挿す場所などを見誤ると次の撮影に転換する際にめんどくさいことになったりも。
あと、延長コードが用意されているところとそうでないところがあるので、このへんはしっかり確認しておくべき。
アンペアの確認もしておきたいところです。

控室/メイクルームはどうか

撮影者目線だけで考えると忘れちゃうのがこのへんかも。
人物撮影のときはもちろんですが、待ちのときの控室があるかないかでテンションもだいぶ変わってきます。
また、モデルになる方が多人数の場合は、ヘアメイクの際に電源も必要になることも。
電源の位置などをしっかり確認しておくと、当日質問されたときにスムーズに答えられます。
綺麗さも気にするといいですね。

搬入しやすさ

大物の小道具を搬入する場合、場所によっては狭くて入らないケースがあります。
せっかく持ってきたのに入らなくて使えない。。。なんてことは絶対イヤですよね。
こういったところでメジャーを使ったりします。
出入り口から該当フロアまでの動線も把握することでより搬入方法を考えられるかと思います。

駐車場の有無

地味に大事です。併設されていればラッキー。そうでない場合で車で来られる方のために、近隣の駐車場は確認しておくと良いです。

コンビニが近いか

これも地味に大事。ケータリング買ったり、なにか忘れ物があったときに重宝します。

食事処が近いか、出前がとれるか

昼食などを挟む際には重要なポイントになってきます。
美味しいご飯屋さんや出前があるかないかでその後の全員の士気に関わってくるので。
これ、甘く見たらダメです。




まとめ

というわけで、ロケハンのポイントなどを書いてみました。
つらつら書いたのでちょっと長くなりましたが、そんなに難しいことを書いているわけではありません。
どちらかというと、ロケハンに行く方がどれだけ周囲に気にかけられるかというところがポイントになるかと思います。

 

せっかくロケハンに行くのでちゃんと多くのことを意識して臨みましょう。
そうすれば撮影当日は気持ちに余裕を持たせて終始楽しく気持ちよく撮影ができると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました