3万円以内で買えるLEDライトパネルは撮影に使えるか

レビュー
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皆さんは撮影で照明機材、使ってますか?
趣味がカメラの方はカメラ内臓のフラッシュを利用したり、クリップオンのストロボを利用される方は多いかと思います。

 

カメラが仕事となると、室内での撮影は、モノブロックストロボやジェネレータータイプのストロボを使うことがもっぱらです。私の場合もそうです。

ちなみにモノブロックはコメットのSYNCHRON-04を2灯持っています。

ジェネタイプはSUNSTAR(サンスター)のストロボ、D-series D122を使用しています。

ヘッドはMFH25を3灯分。

どちらもハウススタジオや白ホリゾントのスタジオに持っていく際は、割と小回りが利いてなおかつ光量も申し分ないです。
小さいスタジオで簡易的なロケであればモノブロック1灯で事足りたりしますが、広い空間をうまく活用するとなるとジェネタイプを使ったり、モノブロックとジェネタイプストロボを併用したりしています。

これらは電源が取れる場所なら大活躍ですが、電源が取れないような場所、つまり公園や街などの屋外では当たり前ですが使用できません。
屋外用のバッテリーを使用するのも手ですが、かなり重いので動きが鈍くなるし。

というわけで、そういった場合はクリップオンストロボを今までは使用してきたのですが、状況によってはクリップオンストロボも使いにくかったりすることもあります。
特に困るのが、夜景バックでの人物撮影。時間帯的に人がたくさんいる時間だと、ストロボのフラッシュが通行人の迷惑になったりするので、考えなしには使用できません。

少し話がそれますが、ここ最近は、写真撮影だけでなく、動画撮影も請け負うことが増えてきました。
動画だとストロボみたいな瞬間光は使えないので、定常光を使用するわけですが、LEDのライトパネルが今は一般的です。室内ならACで電源を取りますが、バッテリー駆動も出来るものが少なくないので屋外でも使えるのが非常に良いです。

このLEDライトパネル、誤って触れても火傷するということも少ないので、初めて定常光を扱う方でも事故が置きにくいというのがメリットの一つ。
しかも昔の定常光に比べたら重量も軽くなっているので使い勝手が非常に良いです。
写真撮影でも時折使っていて、便利だなーと思っていたのですが、大きいLEDライトパネルを使うことのほうが多くて、少人数撮影にはちょっと向いてないなと感じていました。
また、大きなLEDライトパネルはかなり明るいのですが、ももう少し手頃なサイズでも十分に撮れるんじゃないかなーと思っていたりしました。

で、先日コンパクトな撮影があったので、この機会に導入してみようと思い探してみたところ、3万円台で小さめの、でも出力はまあまあ高めなものを見つけたので、購入して実際に撮影に使ってみました。

今回買ったのはこちらです。

LPL(エルピーエル) LEDライトVL-7700CXP。通販だとギリギリ3万円以内。
小型のLEDライトにおいては、LPLは名の知られたメーカーなので、ヨドバシカメラなどの家電量販店でも、カメラコーナーで目にしたことのある方も少なくないと思います。

同梱物はこちら。

LEDライトパネル本体、フィルター2枚、リモコン、ACアダプタ、スタンド接続用アダプタ、手持ち用棒、スタンド、そして説明書となっています。

電源はACアダプタでの給電と、バッテリーの2つの方法で使用することができます。
バッテリーについては、ソニーから出ているビデオカメラ用のバッテリー(別売)を使って駆動させることができます。

ちなみにソニーから出ている純正バッテリーは最小のものでもまあまあ高いです。少しでもコストを落としたいなら互換バッテリーを使うという手もあります。

こういった定常光の機材は、LEDだとしても、どうしても電力を使うので、大容量バッテリーになるのは仕方ないと割り切るしかありません。その代わり、コンパクトな割にパワーある光量を出すことが可能になります。

バッテリーの左下には電源ボタン。ここを押して起動させます。

電源ボタンは調整ツマミになっていて、調光する際にも使います。
その右にはボタンが4つあります。
左上がバッテリー残量。おおよその残量がわかるようになっていて、P1からP9までの表記で表示されます。
P9がバッテリー残量が潤沢、P1がバッテリー残量がわずかという意味合いになります。
なお、ACで繋いでいるときはP9と表示されます。
Pは”Power”の頭文字かな?

右上はリモートするためのチャンネル切り替えボタン。
付属のリモコンで調光などをコントロールできるようになります。
VL-7700CXPが複数ある場合は便利かもしれませんが、1つしか持っていない場合はあまり使わないボタンになるかと思います。

左下は調光切り替えボタン。
押すことでCoarseとFineの切り替えが出来ます。
ここでのFineは「細かい」とか「微妙な」などの意味で、VL-7700CXPでは微調光ボタンになります。
0から99までの範囲で調光ができ、0がミニマム、99がMAXの光量になるのですが、Fineに設定している場合は、1ずつメモリが増減できます。
Coarseは「粗い」とか「大雑把」みたいな意味になりますが、このVL-7700CXPの場合は、10段階調光のボタンです。
こちらは0,10、20、30、……99という感じで10ずつメモリを増減できます、
基本的にはCoarseの状態で大雑把に明るさを決めて、Fineに切り替えて微調整をする、というような使い方になります

右下は色温度切り替えボタンです。
押すことで3200kと5500kのどちらをツマミで調整するかの切り替えができます。
アンバー気味にしたいときは3500kのみの光量をあげれば良い感じに。
ちなみにミックス光が1番明るく見えます。ミックス光にした場合は大体4200Kくらいの色温度になるらしいです。

LEDライトパネル本体の横にはスリットがあり、ここに付属のフィルターを入れることができます。

フィルターには乳白色のものとアンバーのものの2つが付属されています。私の場合は、通常は乳白色のものを利用して、ディフューズさせることが多いです。
夜の室内のような雰囲気の撮影や、室内自体がアンバーで色温度の調整が難しい場合は演出用のアンバーフィルターを使ったりします。

ダイニングバーなどの暖色系の照明を利用している店や間接照明を使っている部屋で、それらの照明を活かしつつ撮影する際には便利です。

ボトム部分は3脚ネジがつけられていますので、お持ちの三脚やライトスタンドに取り付けられることもできます。
付属のグリップを取り付けると手持ちで撮影することも可能なので、小回りが効きやすくなります。

移動が多くライティングの位置がかなりシビアじゃない撮影であれば手持ちの方が楽だったりします。
カメラのホットシューにも付けられることが可能なので、被写体に直当てする場合や、アシスタントがいない場合の動画撮影はかなり便利な設計です。

さて、この記事を見に来られている方が気になっているのは、やはり光量の強さではないでしょうか。
いくらスペックで○○ルクスとか書かれていてもよくわかんないよ!って思うかと。

そんな方のために一例を載せてみます。

機材は、5D mark3と24-70mm f2.8で検証します。シャッタースピード(SS)やf値(絞り)、ISO感度はそれぞれの写真に添付します。

真っ暗な部屋の壁に直あて、ミックス光にして光量最大にした場合でどの程度明るいかを検証しました。
なお、フィルターは無しです。

壁とVL-7700CXPの距離は50cmの場合

1/60 f5.6 ISO400 4200K

壁とVL-7700CXPの距離が1mの場合

1/60 f5.6 ISO400 4200K

壁とVL-7700CXPの距離が2mの場合

1/60 f5.6 ISO400 4200K

壁とVL-7700CXPの距離が3mの場合

1/60 f5.6 ISO400 4200K

近いほうがもちろん明るく見えますが、硬めの光になります。そういうときに乳白色のフィルターを使って柔らかい光にする感じです。

2mを超えてしまうと割と光が拡散してしまい、結構暗くなってしまうので、被写体に当てる際は2mよりも近くで当てたほうが綺麗に映るかと思います。
定常光だけの撮影で、かつ物撮りの補助光としてなら3mくらい離して使っても良いかもですが、流石にイレギュラーな使い方かな。

次に被写体を入れてみます。たまたま小道具として最近使用したサッカーボールがあったので、それで撮ってみました。
ちなみに壁と被写体までの距離は大体50cmくらいにしてあります。

当て方はちょっと斜めから。

被写体とVL-7700CXPの距離が50cmの場合

1/100 f6.0 ISO400 4200K

被写体とVL-7700CXPの距離が1mの場合

1/100 f6.0 ISO400 4200K

被写体とVL-7700CXPの距離が2mの場合

1/100 f6.0 ISO400 4200K

これだけだとどんなものが撮れるのかわかりにくいので、この前頂いたチョコを撮ってみました。

照明はこのVL-7700CXPのみでフィルター無しです。被写体との距離を30cmくらいにしてみました。

流石に24-70mmだと焦点距離が合わないので100mm microで撮影しました。
左前あたりに白紙を置いて光を少しだけおこしてます。

1/50 f8.0 ISO400


1/160 f13.0 ISO400

これらを撮ってみた感想としては、簡単なフード撮影をする場合は楽かも。

あまり時間をかけずに料理を数点撮影する場合に、かなり時短で設営や角度の調整ができるので、飲食店の取材撮影で本領発揮しそうです。
ちなみに夜景の人物撮影でも数回使いましたが十分使用に耐えうる光量の強さでした。その場合は被写体との距離は1mくらいまでに寄せると良い結果が出せました。
(本当ならここにも載せたいのですが、広告撮影だったので載せれません、ごめんなさい。)
特にこの機材サイコー!と思えたのはイルミネーションが背景のとき。

イルミネーションの雰囲気を壊さずに自然な形で撮れたのでかなり使いやすかったです。

今回使ったLEDライトパネルは当たりでしたが、もしこれより小さいものを購入していたら、使用できるシーンがどうしても限られそうだな、と感じました。

コスプレ撮影会などの人物を撮影したいと考えている場合はこのサイズが最低限欲しいところかと思います。

室内で小物撮影の際に使うには申し分がありません。
自宅に置いておいても邪魔にならず、持ち運ぶ機材をコンパクトにでき、常用に耐えうる照明機材としてはかなり優秀な機材だと思います。

3万円でここまで使い勝手が良い照明機材もなかなか無いので、もう一台くらい購入しようかなと思っています。

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